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気まぐれ日記
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真夏の耐久ハシゴ酒
かれこれ数ヶ月も前に拙宅に届いたまま、無能の私自身では何ともならず室内の片隅でダンボール箱に仕舞ったまま置き去りにされておりました。
それは Windows 7 本体。

この数年来仕事やネット通販,また秘密の行事にと酷使していたXPから、Windows 7 に通信及びデータを移行して、漸く拙宅のPC設置を大改装することが、デザイナーT氏来訪の今回本来の目的でありました。


コンピューター関連指南担当デザイナーT氏 久々の練馬上陸を記念して、まずは駅傍で待ち合わせてから夕食を兼ねて暑気払いに軽く一杯…との安直な計画に大きな落とし穴があったことを、後から思えば何故に当初から気付かなかったかが、我々の社会人としての懲りることのない欠如なのでありましょう。

T氏が来るならついでに御大 T先生もお呼びしてみよう…と、冷静に考えれば必要外には避けるべき禁断の暗黒猛毒兄弟の同席を容認してしまった私にも、大いに責任はあります。

たぬき宴.jpg


今宵は、新しいPCでの仕事の件や、遺憾にも益々居心地の厳しくなりゆく我々漫画職人業界での情報交換会談と真摯な思いで臨みたかった私ですが、いきなりそんな堅い話も不粋と言うものです。

拳先生.jpg

ビールで喉も潤ったら、国内屈指の変態性欲者でいらっしゃるエロ漫画界の巨匠 T先生のご機嫌を少しは伺わねばと、私は先生好みの卑猥な話題を不本意ながらも始めたところ、満面の笑みを見せて先生は嬉しそうに食いついてくださいます。


揃って盃を重ねアルコール摂取も進み、席上に練馬のボス Kちゃんまでもが加わり、大変な騒ぎと発展してしまいました。

再会の宴.jpg


当日 “軽く呑んだら拙宅へ”
との清い予定は、一体何処へ吹き飛んだのでありましょう。

一旦分散して、悪兄弟組はスナックへ。そして「焼き鳥食いたいんじゃ」と仰せの親分 Kちゃんと私は近くのやきとん屋へ。そこで偶々知った顔ぶれの男女と会い、早速Kちゃんは彼等に因縁をつけ吠え始めます。
「オドレら、いつの間にデケとったんじゃい!?お~?ボケコラ!」
彼等男女も、えらいのに見つけられてとんだ災難です。

やきとん屋の軒先にて、夜風を浴びてのお洒落な大人の男女のウィットに富んだ会話を愉しむ光景…には残念ながら見えません。

「惚れとんなら早よホテル行かんかいボケコラ!
今から行けボケ!
押し倒してキメたらんかい!注入したれコラ!
おォ~コラ!ボケコラ!!」

これも面倒見の良い彼ならではの愛情表現ではあるのですが、傍から見れば、熟年カップルに酔って絡むタチの悪い輩です。
練馬の親分ってば、ご自身は未だバツなしクリーンなる独り身なのに、他人様には誰彼構わず厳しい評価を下します。

それから私を含む四人で連れ立ち、練馬で人気のカウンターバーへ。
しばらくして、その店で悪兄弟組T先生&T氏と合流。
世間は狭いもので、先生と件の熟年男女の彼氏とはかつてのスナックでの顔馴染みで、再会を祝します。

orange.jpg
画面奥左より、シングルマザーのHちゃん,その彼氏候補?渋いKさん,デザイナーT氏,手前に写り込んでしまった恐ろしい色情霊


私にはもう殆ど記憶もございません。
カタコトの日本語を発するママに目敏く発見され掴まったT先生のお供にされ、今度はチャイナパブに雪崩れ込んだ経緯も覚えがございません。

挙げ句はシメにラーメン屋。
オヤジ衆の呑み明け深夜過ぎのラーメン屋襲撃となれば、ラーメン注文の後に誰となく「それに瓶ビール2本と餃子2皿ね!」と景気づけに注文を重ねるのが、日本文化の流儀です。
するとまた何処の物好きが呼んだのか、そこに加わったのは、皆の馴染みホステス ちあき姐さん。お勤め帰りの参戦です。

それならラーメン屋もないだろうと、朝までやってる居酒屋の座敷へ。

まさたか.jpg

つくづく、底なしのオッペケペ連中です。
まさか夕方から翌朝までアルコールを浴びて過ごすとは、誰の予定にもなかったことでしょう。

丸半日もの大遊興の果て、早朝T氏と拙宅に辿り着くや、すぐさま布団に倒れ込みます。
当然、それから夕刻近くまで二人揃って自己嫌悪と闘いつつ爆睡。


「もーヤだ今日。やっぱこれから温泉でも行こうよ~」
「ダメダメ、ダメですって!オレが嫁に叱られます!」

T氏のPC設定や修復作業には、実は彼の奥方の電話サポートが必須条件。
私のPC作業のために奥方はその間自宅待機してくださるのが定例なのです。


我々二人とも何とか体調だけは復活に至り、予定を大幅に遅れながらも、当家のPC交換設置作業に勤しみます。
と言っても私自身は無論何の役にも立たず、寝転がったり、お弁当買いにスーパーまで行ってきたり…なのですが。

しかしながら案の定、PC問題は予想外のハプニング続出で、今回のT氏来訪では作業中断として、深夜から慎ましく家呑み宴と洒落込みます。

二人宴卓.jpg

端からこうしておとなしく室内でのオヤジ二人宴で我慢していれば、今頃私の新PC、Windows 7 は不手際なく仕上がっていたかもしれません。

自宅宴.jpg


T氏のスケジュールもあり、朝方から昼過ぎまで眠ったところでタイムアウト。


この先私の新PCが本領を発揮し問題なく本格活動を許されるには、練馬繁華街に待ち受ける “酒と女” の誘惑に満ちた、甘くて厚い壁を乗り越えねばならないようです。
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嗚呼物欲に花うけて〈後編〉
*前回のあらすじ

近所の早苗ちゃんから相変わらず男として全く相手にされず人生を捨て鉢になった私は、今さらどうでもいい喫煙と禁煙の話をふと始めたものの、話題が飛んで収拾がつかなくなってしまったのであった…。


氷宇治小豆.jpg


で、何だっけ。
パイプの話の続きでしたか。
どうでもいいけどなぁ。毎日暑いし。
まぁしょうがないや。

そうそう、紙巻きタバコなんてのは、火さえ点ければ誰だって喫えるって話。
ところが、喫煙の歴史を遡りパイプ喫煙となると、道具と着火具を揃えたところで、そう簡単には “美味しく” 喫えないのです。

なんてところが、下手な凝り性の我が性質と噛み合ったようで、パイプに関する書物を購入して勉強したり、当時まだ私はパソコンを買ったばかりでかじり掛けだったネットでの情報を収集したりと。
それが益々楽しい。

苦労の甲斐あり、最初に試しに買ったパイプ本体は安物なれど、上手な葉の詰め方から着火方法、そして正しい喫い方…と失敗を繰り返しつつも徐々に上達し、それなりにパイプ喫煙初級者としては合格点到達。

つまりね、初心者がパイプ喫煙に挑んでも、すぐに火は消えるし水分でジュルジュルになってパイプ内が湿った葉で固まって詰まっちゃうわで、散々。
それが上手くなると、いっぺん着火したらゆったり呼吸をするように、30分でも40分でも気持ちよく燻らしていられる。
私の感想では、自転車に乗れない人が上手に乗れるまでになるくらいの、努力と情熱に慣れとコツやテクニックが必要。

余談ですが、六尺フンドシの締め方は、ネクタイの締め方を覚えるくらいの技量でしょうか。
合理的にできてますよ、日本古来の下着は。
そこらへんも何故か一時嵌ってたけど、忘れちゃったなー、六尺フンドシは。浴衣着る時はフンドシ締めてたっけ。あ、浴衣の帯も締め方忘れたかなー。
縁日や花火大会の同行をお誘いくださるようなご婦人衆との交際も、今やすっかりございません。
この先つくづく侘しい老後だなー…。


なんてなことはいいとして、今度は自作パイプなんてのにも挑戦。
これもまたネットでの情報で、専用の着色剤なども買い込み、素人作業で苦心の末に完成。

自作パイプ.jpg


数少ない専門店に足を運んだりして、結構な価格のパイプポーチだのパイプ用ライターだの、葉を詰めたり手入れする小道具に、もちろん様々なパッケージの豊富な種類があるパイプ喫煙用の葉っぱだの、それの陶器製専用保存容器だのもあれこれ揃えて散財。
意気揚々と密かなパイプ喫煙ライフを送っておりました。


ところが、前回お伝えした通りで唐突にも意識改革に至って、完全禁煙。
以来喫煙習慣一切遮断。
今やニコチンには未練もございません。


しかし実は、たったひとつ心残りがあるのです。

パイプに嵌っていた当時に、その筋では一流の地位とのパイプ作家氏のHPを、興味深く拝見しておりました。

ご存知もご趣向もない方には、パイプの世界とは何とも奥深く…また些か馬鹿らしくも感じるでしょうが、有名作家のパイプとなると、ウン十万円、それ以上!?なんて品も珍しくない。喫煙具の価値が下降した現在ではどうだかは存じませんが…。ほんのウン万円なんてのは安価品の部類。

そんな高級品を容易く購入するまでには、数寄者の私とて手元不如意にて及ばず。
ではありますがその一流作家氏のHPで何よりの注目の的が、毎月行われる「パイププレゼント」企画でありました。

ご本人の作家意識で、今ひとつの出来だったもの、それは例えば造形途中で木の醜い節が出てしまい、気に食わないから売り物にはできないとか、軽い気持ちで遊びで作ってみたとか、そんなB級以下の自作品を、パイプ喫煙同好の諸氏に特別差し上げましょうとの有り難い催し。

メールによる応募で、しかし決して公正なる抽選でもなく、人情優先として、何度も応募した人、その上気の利いた一言を添えると当選確立は上がるとの注釈。

幾度かの応募に挑み、何やらうまいことを一言、件の自作パイプ云々のエピソードをしたためた私が、遂に高名パイプ作家氏のご機嫌を射止めたのでありましょう。
見事当選に至り私の元に送られたのが、このパイプ。

当選パイプ.jpg

先日ふと、物置の奥から出てきたのであります。
プレゼント用B級品とは言えども、直筆の制作ナンバー入りの革ポーチに立派な和紙の箱入り。

軽く一服にちょうどのボウル部と、長めの竹のシャンク部で、確かにこれはパイプ専門店でも恐らく滅多にお目にかかれないであろう小品ながらも面白いデザイン。歪んだ形状も愛嬌を感じ、手に馴染みます。

当時好んで着用していた作務衣など和装に合いそうな洒落た形のパイプの当選に、顔をほころばせたことを覚えております。
これは煙草が旨かろう!

と、そうは思いつつ、とても勿体なくて使い始められぬまま、たまに引っ張り出してはニンマリ。未使用のまま秘蔵品として大事に仕舞い込んで、それから結局我が喫煙趣味はピリオド。

喫煙者の体だった頃に、この一流職人作のパイプで一服くらいは味わってみたかったなぁ…なんて後悔がチラリと頭を過ります。


ニコチン愛好の趣に戻る所存は今さらありませんが、それでもこの一品を決して手放したりする気にはなれないのですから、私の偏屈な物欲たるや、我ながら呆れたものです。
手放すも何も、まぁ、今時これを欲する御仁もかなり奇特でしょうが。



さて、パイプの話題はおしまいとして、今回の物欲の一品。

まだ性懲りもなく果敢に続けているヘタヨコ道楽での、エレキベース用のストラップ!

オーダーストラップ.jpg

ネットで偶々発見した、レザーベルト専門店の熟練職人さんに各寸法から事細かにネチネチと指定オーダーした、ワンサイズのストラップが、先日到着したのであります。

潔く長さ調整はできぬ一本のデザイン。シンプルながらも、両端の形状も指定して表裏本革で作られた完全オーダー品。
お値段は…、内緒よ、うふふっ。

それでバンドの連中は、どうせ誰一人私の特製ストラップになんか気付かないだろうとは、今から百も承知。別にいいんだもんね。


だからどーした!?
って些細な小話で面目ございません。
幸薄くも暢気に生息しております。
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嗚呼物欲に花うけて〈前編〉
ブログで早苗ちゃんネタの妄想ホラ話を繰り返しての、遠回しで軟弱なる求愛は見苦しいから止めなさい…とのご意見を関係筋から賜りました。

それはご尤もかもしれませんが、ご心配には及びません。
彼女ご本人は当HPをご覧にはなっておりませんから。
そもそもこんな駄文をお読みになる程に、早苗ちゃんは私に興味をお持ちではございません。

当家のハムスターのさなえちゃんですら、私が慈しんで手を差し伸べると嫌悪感あからさまな態度で逃げて行くのです。



滅入るので話題を替えましょう。


机上ジーン.jpg


決してヘビースモーカーではなくも、愛煙家ではあると自認していた私が、時流に屈し長年の喫煙の嗜好を断ってから、思えばもう六年近くにもなります。

タバコを止めることは、恐らく愛煙家の方々何方とて、その気になれば誰しもできるでしょう。
ただ “止める” だけならば。

理屈ですが、一時止めるに留まらず、“止め続ける” ことが、不埒で自堕落なこの私にもできたのは、それは現代のこの嫌煙事情だからだったと言えましょう。

これ程までに喫煙者が居心地悪く、文字通り煙たがられる風潮ではなければ、私も禁煙を続けることはできなかったかと思います。

長年に渡る喫煙習慣を試しに急に断ってみた要因は、思い起こせば色々とありました。
その一つ。その頃深夜にテレビで放映が始まった「ゴルゴ13」のアニメでは、何と言っても、“細巻きシガー” がトレードマークだったデューク東郷が、非喫煙者になっていた!
それは私にとってなかなかに印象的でありました。

超一流のスナイパーであると同時に、超一流のビジネスマンでもある設定のキャラクターには、最早タバコの小道具は現代舞台では不自然どころかご法度必須項目だったのでありましょう。
それ以外は結構原作のシーンに忠実で、依頼者から受け取った標的の顔写真を一旦頭に入れたら、デュポンかダンヒルのライターを胸のポケットから取り出して写真を焼くのです、デュークさん。

ほぉ~、写真を焼くためにだけ、高級ライターを忍ばせているとは、さすがゴルゴ!
…なんて野暮なツッコミは不要として、当時は沸々と己の喫煙習慣を如実に苦々しく感じたのでありました。


ケーブルテレビ放映で、昔々の…自分が子供の頃に観ていた刑事ドラマ「俺たちの勲章」を感慨無量の心持ちで最近鑑賞しました。
少年当時、仮面ライダーの次に私に訪れたヒーロー像こそが、黒のレザージャケット&パンツに身を包んだ松田優作!
その後のコミカルタッチな「探偵物語」も好きですが、このドラマでの共演が縁で後にドカドカ子沢山夫婦になる中村雅俊と五十嵐淳子の出会う「俺勲」の不良刑事 中野祐二こそが、私には松田優作のベストスタイル!

黒レザー姿で松田優作がタバコを喫うシーンなんぞ、やはり惚れ惚れする程に今観てもカッコイイ!

(それにしても、刑事ドラマとしては幾ら何でも破茶滅茶過ぎる展開とストーリーだけどね…)

こんなんを子供の頃に見せられたら、そりゃタバコに憧れるわな。

しかし、それは現代とは風潮のまるで異なる過ぎ去った時代の話。
残念ながらもこの現代では、タバコを喫う姿に最早カッコよさは皆無で、痛ましくも私には映りますが、皆さんは如何お感じでしょう。


そう、晴れて今となっては、喫煙に関しては何の欲求も感じないクリーンな体…ではある私ですが…。

現代ではタバコと呼ばれる当たり前の紙巻き煙草、シガレット。
歴史は遡り その紙巻きタバコの原形だった、“パイプ” 喫煙に、捻くれ者の私は、喫煙習慣を遮断する前五年間程でしたか…嵌っておりました。

世の禁煙嫌煙の風潮どこ吹く風で、自棄糞気味に時代に逆行するかの如く愛煙家を気取り、まずは葉巻タバコ、それからパイプ喫煙と趣向を広げていたのです。

嵌ってしまったところは、パイプのテクニック。
お馴染みの紙巻きタバコは、つまりタバコと着火具さえあれば、それこそ中学生の小僧だって簡単に味わえる。
ところがパイプは…


ヌードとパイプ.jpg

長話になりそうです。
どうでもいい役立たずの戯言ではありますが、面倒臭くなったので、続きはまた後日。
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三流絵師無頼控
私事で恐縮ですが、この場をお借りして僭越ながらご報告を申し上げます。

早苗ちゃんと.jpg


かねてより秘かに愛を育んでおりました近所の早苗ちゃんと、将来を共にする契を結びまして、彼女のご両親ならびにごく親しい人々を交えての、ささやかな宴を開いた次第であります。

資産家のご令嬢である富豪の早苗ちゃんの伴侶に、しがない三流絵師風情のこの私が名乗りを上げること自体、世間体では不相応で許されざる不逞とは重々存じておりました。

しかしながら私たちの深い愛は数々の苦難をも退け、ご両親にも偽りない私の一途なる思いを受け入れて頂き、お蔭さまでこの度めでたく内輪での祝宴を設けるまでに至りました。

実を申しますと、彼女のお腹には私たちの愛の結晶…小さな生命が宿り、これでもう私の老後は衣食住の安泰が約束され、朝晩酒を呑んで………


あれっ?
この妄想ネタ、前にも既に使ってた?

面白くもない下衆な作り話はやめろって?

はい。


男衆.jpg

そうです。練馬の元スナックママご自宅での、ただの恒例宴会の風景です。


だからね旦那。妄想を原稿用紙に描写して何年もメシ食ってりゃー、いい加減頭もイカレてくるってもんよ。
その上哀しいかな必然的に世間知らずのまま齢ばかり重ねて、油断すりゃ下界の魑魅魍魎共にはコロッと簡単に丸めこまれるわ騙されるわ…。
つくづく脆弱なものです、私のような無能な漫画家稼業なんてものは。


私が音頭取りで仕切った宴のその日は、生憎の夜通し雨天予報。
いつもは愛車の自力走行型オープンカーでママ宅に向かうのですが、空模様を案じて電車を移動手段にしての訪問。手土産には大吟醸酒の一升瓶。

ママにパパ,隣のおじさんに、Kちゃん,I君。
そして早苗ちゃんとご両親のセレブ一家も到着。
続々と毎度お馴染みの面々が揃い、ママ手作りのご馳走を囲んで賑やかに過ごします。

シチュー.jpg
ママご自慢のビーフシチュー。酸味程よく絶品


4人.jpg
左より、早苗ちゃんのお父上,親分Kちゃん,早苗ちゃんのご母堂,ママ


はなちゃんかっちゃん.jpg
大親分と若頭


息子さん娘さん全て伴侶を持ち子宝にも恵まれ立派にご家庭を形成した子沢山のママには、つまり可愛いお孫さんがもう何人もいらっしゃいます。
人として、何と正しい幸福な姿でありましょう。

反して、こちとら元常連客衆の独身中年男組に元ホステス嬢と来た日には…。
私自身も含め、何とも痛ましいの一語。


ドンチャン騒いだ挙句 宴も終盤を迎え、隣のおじさんは満足げに自宅に去り、早苗ちゃんのご両親はひと足先にタクシーでご帰還。
例によってI君,Kちゃんは酔い潰れて横たわるや鼾を立て始めます。
夜に強い私はママと早苗ちゃんとで近所の24時間営業のスーパーに行き、菓子類を購入。
オッサン二人の寝息をBGMに、まったりアフターパーティータイム。


さぁ、お膳立ては完璧に整いました。
冒頭の妄想が、ここで今度こそ遂に真実となるべく方向に進むか否か!?

何しろタクシーで帰る方向は当然早苗ちゃんと一緒!
男の心意気を形にできるかどうかの、一世一代のチャンス到来です。

ママ宅を辞去しタクシーに乗り込み、練馬 伝説の名ホステス早苗ちゃんと睦まじく会話を弾ませ車中を過ごします。

長年自らが描写している漫画のストーリーですと、この流れでは、ネチッこく婦女子の手を握る男。
「運転手さん、どこか近くのホテルに行ってもらえるかな」
見つめ合う二人。
小雨の夜景から、ホテルの外観。

次のページから、ホテルの一室での破廉恥な行為が展開されます。

「ああん…シャワーに行かせて」
「いいだろ、このままで」
「はぁぁ、ダメ…恥ずかしい…」


…そんな下世話なストーリーを考え執筆し続けて、〆切に追われて自室に籠もり…、もう何年経つでしょう。

嫌だ嫌だ。男女の営みなんか、今更馬鹿らしい。


彼女のご自宅前でタクシーを共に降りて、
「ほいじゃーまたねっ」
早苗ちゃんと清く別れるや、私は折り畳み傘を開き雨を凌ぎ、自らの塒へと独り歩を進めました。

午前3時半過ぎ、帰宅。
原稿20ページ、下描きまで進めてあるし、今日はゆっくり寝んで、明日からペン入れだな。
…え~と、人物ペンに何日。それからバックに……。
さて、歯磨いて、寝よっと。



もし来世と言うものがあり、今度生まれ変わった暁が来たるならば、私は幸福を目標に人生の選択を誤りません。


エロ漫画家だけにはなるまい、と。
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便所脇懇談会
こんな代物を背負って歩いて頻繁に遊びに行っていたら、お蔭ですっかり酷い腰痛に苛まれてしまいまして、今や整骨院に週二回通う羽目になっております。

Gamere&L.jpg

今年の初めに購入したこのベース、たしかに弾き心地はよく音圧も強力で、ブルースバンドの親方にもお気に召しては頂いたものの、その殺人的な重量には流石に辟易してしまい、良質で体力相応の軽い楽器を見つけたら直ちに交換して楽器屋に売っ払ってやろうと目論んでおります。


さて、前日には仕事の打ち合わせも済ませ、また暫しは孤独で不健康な執筆生活に突入するところで、スポーツジムでひと汗。
ジムの筋トレマシンはうまいもので、腰痛の身でも腰に負担のかからぬ様にと腕力や腹筋を鍛えられます。

お風呂とサウナでサッパリしてロッカー室に戻ると、スマホに表示された着信形跡は、誰あろう御大 T先生より。
ジムから出て早速先生に発信します。

最近めっきり、ご婦人衆からのお呼びも途絶え益々幸薄い我が人生でありますから、先輩作家T先生からの「ちょっと一杯やらへんけ?」の枯れたお誘いに私は快く応じた昨夕でありました。

新宿から一路ホームタウン練馬へと。
繁華街に到着し、T先生と落ち合います。


燻されたオヤジ二人組とは言えど、こう見えても我々は日本エロ本文化を真摯に守る現役のエロ漫画作家です。
それなりの高尚な店でしか飲食はできません。

「お誘いありがとうございます、先生。
フレンチにしますか?それともイタリアンは?
こんな日は鰻で一杯なんてのも、オツで悪くないですなっ」

「そうやなミツマロ君。
…ここにしよか」

落ち着いたのは、雑多な串焼き屋の奥まったトイレの脇のVIP席。


四文屋卓上.jpg

どうやら我々には一番お似合いの居場所の様です。


「まったく、アイツときたら決まって子供っぽい女に惚れて入れ込んでんだからよォ…」
「あ、あの野郎はもうダメ!
あの野暮天野郎めが!道で会っても知らんぷりしてやるんだから…」

等々、ひとしきり知人への罵詈に花を咲かせます。

自身の愚行は棚に上げ、他人の悪口を繰り広げて呑む酒は、暑気払いに良し,ストレス解消に良し,血行促進にも良し。
腰痛もその間は吹き飛び、生ビールも喉越し軽やかに進みます。

己の人生が浮かばれなくば、他者を罵り蹴落とす。
自己防衛の法則。蓋し人類永劫の真理でありましょう。


…だなんて、腐ってばかりでもありません。
遺憾ながらも現状では失われゆくエロ本を憂い、エロス作家の起死回生への夢を清く熱く語り、またエロスの根源とは何ぞや!?女性の肉感の奥底を描く真髄にまで我々ヤサグレアーティストの話題は白熱し、気がつけば隣席の一般男女は訝しげに去って行った次第です。


先生と串焼.jpg


気の置けない友達同士で一杯呑った訳ではあるまいし、飲食の勘定を割り勘になどはできません。
大御所の先生に対して失礼です。

「先生、端数なら1円から9円までボクが取り揃えておりますので、遠慮なく仰ってください。
それ以上はビタ一文出しません」

上下関係を常に重んじる私は、先達を立てることを忘れません。


先生相手に好き放題に鬱憤をぶちまけ、勝手に自説を唱えてのタダ酒は、ジム帰りの風呂上がりにしてこの上なく有意義なひと時でありました。


死に際は相当に惨めな末路を辿る確率大の私ですから、どうかご容赦願います。
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