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昼下がりのこんにゃく問答
エロ悪魔.jpg


尊敬していないこともない…と言っても決して過言ではないとも言える、私の先輩エロ漫画作家 御大T先生よりご連絡を頂戴したのは、夜半ではなく珍しく昼過ぎのことでありました。

こんな時間に、これからこの私に是非とも会いたいとのお申し出。
まさか先生、有り余る好色が一線を突き抜け、遂に禁断の男色愛好趣味に…!?

と私は一抹の不安を胸に、万が一御大から肉体を要求されても拒むことのできぬ己の低い身分を嘆きつつ、身支度に及んだのでありました。
昨日のことであります。

折しも雨降りしきる空の下、傘をさして歩き進み、指定された駅前の喫茶店へと。

ほどなくして現れた先生のご用件とは、幸いにも私の清く瑞々しい豊満な肉体が目的ではなく、“エロ本業界の現状とその対策法…如何にして漫画界を生き残るか!?” がテーマの相談会。
我々エロ作家にとっては切実なる密談でありました。
エロ漫画界の不沈戦艦T先生ともあろうお方が、最近はこの不況の現状に些か憂いていらっしゃるご様子。

結論としては、
『がんばってエッチな漫画描こうねっ!』
との当たり前の答え。


怪しいオッサン二人、喫茶店で醜い髭面をつき合わせてアイスコーヒーを飲み干しただけでは、やはり物足りません。
エロ漫画家同士での侃々諤々のノンアルコール討論から、河岸を変えて、早くから営業している串焼き屋へと。

串焼屋にて.jpg

夕刻前から生ビールにサワーと、心地好くアルコールを体内に注入し、ようやく気分も緩和します。

そこで軽く呑んだらまた河岸を移し、次はT先生お気に入りの老舗のやきとん屋の雑多な店内に落ち着きます。

喫茶店ではポーク焼肉セット、串焼き屋でも脂っこい肴と、他人の財布の中身で遠慮なく食い散らかしていた私は、少しこざっぱりしたものを…と、そこでは刺身こんにゃくを注文。

酢味噌で薄切りのこんにゃくをペロリと…、オツな酒の肴です。
ところが…私のオーダーしたこの一品の選択が、誤りだったのです。

「先生もどうぞどうぞ」
とお勧めするも、何故かまったく箸を運ばぬ先生。
ひょっとして酢味噌はお口に合わないのかなと私が訝しく感じていると、眉間に皺を寄せ、苦々しくこんにゃくを一瞥するや、
「こんにゃくはな、ワシは食えへんのや…」
との先生。

何を打ち明けるのかと思いきや、遠くを見るかの細い目で先生は語り始めます。
「ワシが昔東京に出てきた頃やがな…独り身が寂しゅうて、こんにゃくを…買ぅてきたんや…」

何だか嫌な予感がします。

「こんにゃくにこう…ヒダヒダに切れ目を入れて…軽く温めて……」
と、それから先生はホッピーを呷りつつ、青春時代にこんにゃくと繰り広げた自らの愛欲体験記一部始終を私に克明に語り尽くす訳ですが、ここでは私は詳しくその内容を述べません。述べるまでもないでしょう。述べたくもありません。
人並み外れた強い性的欲求の持ち主でいらっしゃるエロ先生の、貧しくも夢多き青年期のこんにゃくとの交際術。
それは男性諸氏ご想像通りの、哀しい男の涙ぐましい秘話です。

若き日のT先生のこんにゃくとの泥沼の愛憎劇を拝聴してしまった私は、もう当分こんにゃくは食べられそうにありません。

T先生、昔の恋人に酢味噌をつけて食してしまって、すみません…。


こんにゃく刺.jpg
かつての恋人との再会に照れるT先生


いい歳をした大人同士が、明るい時間から場末の呑み屋で、「あんな物も使った、こんな果物でも試してみた」…だの、何を口角泡を飛ばし熱弁を振るっているのやら…。

ホッピーにレモンサワーと盃を進め、何の役にも立たぬT先生のおぞましい昔話に付き合っているうちに、夜の帳も開くいい時刻。

そうなれば結局、酔いどれオヤジ二人組、すっかり出来あがって定番コースでスナック Hへと顔を出す始末。

“エロ本業界サバイバル作戦会議” の真面目な懇談会は何処へやら、ママと馴染みのホステス Cちゃん相手に、下劣も甚だしいT先生の弁舌は留まるところを知りません。

「いつやったか、ワシがどこかのスナックでな、ええ気になってエロ話をしとったら、若いホステスがトイレに立ってしばらく戻ってけぇへんかったねん!
何や思うて後で聞いたら、ワシのエロ話を具体的に想像したら急に気分が悪ぅなって、ゲロ吐いてたっちゅうねん!
グハッ、グハッ、グワァ~ハハハハハ~ッ!!」

そう楽しげに語るT先生の姿は、まさしく “エロ悪魔” そのものです。


…嘔吐を催すまでの強烈なエロ話を練馬のエロ悪魔から聞かされたお嬢さん、心中お察し申し上げます。どうか力強く生きていってください。
私も今後数年間は、こんにゃくを口にできそうもありません。

明るいうちから酒を浴び続け、深夜更にT先生と共に、Cちゃん,A嬢を引き連れて、近くのスナック Gへと傾れ込む始末。

我ながら…自身のバカ呑み行動を記していて、いい加減自己嫌悪に陥ります。


あんな嬢.jpg

調子に乗ってA嬢と仲良くツーショット。
オジサン、悪いパパになっちゃおっかなぁぁ~!?

…なんて浅はかな野望も空しく、小悪魔A嬢はキッチリと姐御肌のCちゃんにガードされ、私はベロベロのドロドロで一人寂しく帰還。


実にお恥ずかしながら、先週一本原稿を上げてからというもの暢気この上なく、今夜はこっちのお誘い、明日はあっちのお約束…と、連日連夜呑んだくれの泥酔続き。


そろそろアルコールとは暫しのお別れを宣言して、正しく心を入れ替えてエロ原稿執筆に従事しようと誓いを立てる次第です。
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