高嶺のランデブー再び
2011-11-11 02:02:15 (12 years ago)
「ゲヒヒヒヒッ…ワシの馴染みの○○チャンが、あのハゲに電話しろ言うとんねん!それでハゲに電話したったねん!どや?キミもオッパイ揉みに来ぇへんかぁ~?ゲヒッ、ゲヒッ、ゲヒヒヒッ…」
日本官能劇画界の巨匠、御大T先生からの着信に出ると、例によって先生はフィリピーナの乳首を捏ね回しつつ、既に酩酊し呂律の回らぬ口調で捲し立て始めました。穏やかな晩秋の宵に、全く迷惑千万な話です。
T先生と言えば、今年の夏に池袋駅北口前で待ち合わせた女性とホテルで性交中に脱糞をされながらも、相変わらずその精力は旺盛で、練馬のスナックからフィリピンパブ等を荒らしていらっしゃるご様子です。
電話口の周辺からは、異国女性たちの嬌声,悲鳴。
恐らくまたしても先生は、フィリピーナの乳房を揉みしだきつつ、感極まるや自らの陰茎をやにわに露出させ、暴れ回っては周囲を騒然とさせていらっしゃるのでありましょう。おぞましい光景が目に浮かびます。
練馬区の保健所も何をやっているのでしょうか。
こんな不良親爺との交際が知れたら、年老いた私の母親も故郷でさぞや嘆き悲しむことでしょう。
いくら商売上の先輩作家とはいえ、私もいつまでもこの様な醜悪な男に関わっている場合ではありません。
「先生、お電話ありがとうございました。どうか程々に…」
と電話を切るや、舌打ちして忌々しく iPhone を放り投げた次第です。
淫猥狸親爺の話題などどうでも宜しいのです。
そんなことより私は、妖艶美人Y子さんとの、再びなるランデブー計画に必死な状況でありました。
私の趣味であるバンド活動の仲間 ピアニストA氏が、来週末に他のメンバーを引き連れての演奏発表会を、大塚の、とあるライヴ・バーにて行うそうなのです。
無論私はその演奏会を聴きに行く予定でして、そこで、ジャズに興味をお持ちのY子さんをお誘いして、そのライヴ・バーを下見がてら、ご一緒に覗きに行ってみようかと思い立ったのであります。
幸いにもその提案に飛び付いてくださったY子さんと翌日の夜、大塚駅前で待ち合わせ。
オレンジ色の派手なコートに身を包んだ彼女は、悔しい程に男を惑わす妖艶なオーラを発しております。
そんな妖艶婦人と肩を並べ、大塚でも日頃T先生が溢れる性欲を排出する一角とは正反対の方面に歩みを進め、小洒落た地階のライヴ・バーに向かったのであります。
平日はプロの演奏によるコッテリしたライヴ。
どうやらそこは店主の好みでビートルズから、ブルースやロックの幅広いジャンルの生演奏が行われるスポットのようですが、ちょうどその夜はジャズ・バンドの催し。
Y子さんは白ワイン,私はバーボンソーダのグラスを傾けつつのジャズ鑑賞です。
ピアニスト女性をリーダーに、ドラム,ギター,テナー(&ソプラノ)サックス,6弦フレットレスのエレキベース奏者による、私には未知のミュージシャンのクインテットでしたが、流石に聴衆からお金を取るだけの技量を究めた人達の、隙のない完璧な演奏には存分に圧倒されます。
ライヴ鑑賞後は、近くの串焼き屋で軽く空腹を満たし、それからタクシーで向かったのは、練馬駅の隣、中村橋。
実は私がたまに行く銭湯の手前、寂れた商店街の一角に、以前から気になっていた小さなジャズ・バーの様な怪しげな店があり、Y子さんと遂にその店に突入してみたのであります。
その名も “Miles”。
怪しい店の内部は想像よりもずっと怪しく、愛想よく迎えてくれた初老のマスターに勧められるまま、靴を脱いで私たちが座った席は、何とピアノ(本物よ)の鍵盤部を卓上にした、正に特別席。
当然ながら親爺さんは相当の筋金入りジャズ・マニア。
店内…と言うよりもそこはジャズをはじめシャンソンやフラメンコ等、様々な音楽好きが高じたマニアックな個人の室内と言った空間で、壁際には所狭しとCDが山積み。
ご自身はピアニストのみならず、フラメンコ・ギターも奏でるとのことで、ギターを抱えるや我々にその手腕も楽しげに披露してくださる歓迎ぶり。
深夜に不思議な異空間をY子さんと共に過ごし、一見客ながら我々はマスターに妙に気に入られたのか、「普段は常連さんにしか配らないんだよ」との、一般には非売品(ホント?)との、缶入りじゃがいもポタージュを振る舞われ、更に特別にと土産にもう一本ずつ頂戴した次第です。
ね?コレだから、美女とのランデブーは堪えられません!
胡散臭い親爺二人組ででも入店してごらんなさいよ。絶対にこんな待遇は受けられないんだから!
「ちょっとお腹空いちゃったぁ」
との愛くるしいご意向をY子さんから受けて、それから更に練馬の焼肉屋へ。
私は今まで、深夜過ぎの時刻に男女のつがいが焼肉屋の隣席で睦まじく腹ごしらえ…なんて小憎たらしい場面に出くわせば、こちとら見たくもない髭面野郎と向かい合って肉焼いてビール呑みつつ、
“さんざ思い切り肉弾戦ぶっ放しゃーがって、体力回復に肉食って…ってかぁ~!?精力つけて帰ってもう一戦かぁ~?この野郎ッ!結構だねぇ~畜生ォ~ッ!!”
…だなんて下世話な想像力ばかりを働かせておりましたが、そうとばかりは限らないのね…。
いや、私に限っては…か?
指一本触れもせず、私はもうY子さんに翻弄されるばかり。
それでその後は…どうしたかって?
ええ、タクシーで帰路につく彼女を清く見送り、私は骨抜かれ状態で自宅に帰って寝ましたとも。時刻は午前4時半。
そんなわけでその日は丸一日グロッキー。
アーチストは美形に弱い…と言うことで、私の不甲斐ない有様を何卒ご理解頂きたい。
この調子で、今年の冬も相も変わらず独り寒々しく過ごしそうです。
日本官能劇画界の巨匠、御大T先生からの着信に出ると、例によって先生はフィリピーナの乳首を捏ね回しつつ、既に酩酊し呂律の回らぬ口調で捲し立て始めました。穏やかな晩秋の宵に、全く迷惑千万な話です。
T先生と言えば、今年の夏に池袋駅北口前で待ち合わせた女性とホテルで性交中に脱糞をされながらも、相変わらずその精力は旺盛で、練馬のスナックからフィリピンパブ等を荒らしていらっしゃるご様子です。
電話口の周辺からは、異国女性たちの嬌声,悲鳴。
恐らくまたしても先生は、フィリピーナの乳房を揉みしだきつつ、感極まるや自らの陰茎をやにわに露出させ、暴れ回っては周囲を騒然とさせていらっしゃるのでありましょう。おぞましい光景が目に浮かびます。
練馬区の保健所も何をやっているのでしょうか。
こんな不良親爺との交際が知れたら、年老いた私の母親も故郷でさぞや嘆き悲しむことでしょう。
いくら商売上の先輩作家とはいえ、私もいつまでもこの様な醜悪な男に関わっている場合ではありません。
「先生、お電話ありがとうございました。どうか程々に…」
と電話を切るや、舌打ちして忌々しく iPhone を放り投げた次第です。
淫猥狸親爺の話題などどうでも宜しいのです。
そんなことより私は、妖艶美人Y子さんとの、再びなるランデブー計画に必死な状況でありました。
私の趣味であるバンド活動の仲間 ピアニストA氏が、来週末に他のメンバーを引き連れての演奏発表会を、大塚の、とあるライヴ・バーにて行うそうなのです。
無論私はその演奏会を聴きに行く予定でして、そこで、ジャズに興味をお持ちのY子さんをお誘いして、そのライヴ・バーを下見がてら、ご一緒に覗きに行ってみようかと思い立ったのであります。
幸いにもその提案に飛び付いてくださったY子さんと翌日の夜、大塚駅前で待ち合わせ。
オレンジ色の派手なコートに身を包んだ彼女は、悔しい程に男を惑わす妖艶なオーラを発しております。
そんな妖艶婦人と肩を並べ、大塚でも日頃T先生が溢れる性欲を排出する一角とは正反対の方面に歩みを進め、小洒落た地階のライヴ・バーに向かったのであります。
平日はプロの演奏によるコッテリしたライヴ。
どうやらそこは店主の好みでビートルズから、ブルースやロックの幅広いジャンルの生演奏が行われるスポットのようですが、ちょうどその夜はジャズ・バンドの催し。
Y子さんは白ワイン,私はバーボンソーダのグラスを傾けつつのジャズ鑑賞です。
ピアニスト女性をリーダーに、ドラム,ギター,テナー(&ソプラノ)サックス,6弦フレットレスのエレキベース奏者による、私には未知のミュージシャンのクインテットでしたが、流石に聴衆からお金を取るだけの技量を究めた人達の、隙のない完璧な演奏には存分に圧倒されます。
ライヴ鑑賞後は、近くの串焼き屋で軽く空腹を満たし、それからタクシーで向かったのは、練馬駅の隣、中村橋。
実は私がたまに行く銭湯の手前、寂れた商店街の一角に、以前から気になっていた小さなジャズ・バーの様な怪しげな店があり、Y子さんと遂にその店に突入してみたのであります。
その名も “Miles”。
怪しい店の内部は想像よりもずっと怪しく、愛想よく迎えてくれた初老のマスターに勧められるまま、靴を脱いで私たちが座った席は、何とピアノ(本物よ)の鍵盤部を卓上にした、正に特別席。
当然ながら親爺さんは相当の筋金入りジャズ・マニア。
店内…と言うよりもそこはジャズをはじめシャンソンやフラメンコ等、様々な音楽好きが高じたマニアックな個人の室内と言った空間で、壁際には所狭しとCDが山積み。
ご自身はピアニストのみならず、フラメンコ・ギターも奏でるとのことで、ギターを抱えるや我々にその手腕も楽しげに披露してくださる歓迎ぶり。
深夜に不思議な異空間をY子さんと共に過ごし、一見客ながら我々はマスターに妙に気に入られたのか、「普段は常連さんにしか配らないんだよ」との、一般には非売品(ホント?)との、缶入りじゃがいもポタージュを振る舞われ、更に特別にと土産にもう一本ずつ頂戴した次第です。
ね?コレだから、美女とのランデブーは堪えられません!
胡散臭い親爺二人組ででも入店してごらんなさいよ。絶対にこんな待遇は受けられないんだから!
「ちょっとお腹空いちゃったぁ」
との愛くるしいご意向をY子さんから受けて、それから更に練馬の焼肉屋へ。
私は今まで、深夜過ぎの時刻に男女のつがいが焼肉屋の隣席で睦まじく腹ごしらえ…なんて小憎たらしい場面に出くわせば、こちとら見たくもない髭面野郎と向かい合って肉焼いてビール呑みつつ、
“さんざ思い切り肉弾戦ぶっ放しゃーがって、体力回復に肉食って…ってかぁ~!?精力つけて帰ってもう一戦かぁ~?この野郎ッ!結構だねぇ~畜生ォ~ッ!!”
…だなんて下世話な想像力ばかりを働かせておりましたが、そうとばかりは限らないのね…。
いや、私に限っては…か?
指一本触れもせず、私はもうY子さんに翻弄されるばかり。
それでその後は…どうしたかって?
ええ、タクシーで帰路につく彼女を清く見送り、私は骨抜かれ状態で自宅に帰って寝ましたとも。時刻は午前4時半。
そんなわけでその日は丸一日グロッキー。
アーチストは美形に弱い…と言うことで、私の不甲斐ない有様を何卒ご理解頂きたい。
この調子で、今年の冬も相も変わらず独り寒々しく過ごしそうです。