消えたAV監督を捜せ!の巻
2012-10-05 09:05:58 (11 years ago)
原稿に追われ孤独な執筆生活を送り、何とかようやく職務を遂行したら、猛暑の日々からいつの間にやら季節はすっかり秋となっておりました。
せめてもの愉しみはと言えば、執筆の合間にペロリンと頂くマミープリンくらいのものでした。
これはスマッシュヒットだぞ森永!
また買ってこよっと。
さて、こんな侘しく慎ましい私の生活でありますから、取り立ててご報告する話題も乏しいのですが…。
つい先日、周辺に借金を重ねに重ねた上に、返済不能となるや業界関係者の前から忽然と姿をくらました 元AV監督、A太郎氏の目撃情報を遂にキャッチしたとの連絡を、親しい編集者より頂いていたのです。
女優さんにも然るべき報酬を支払わず、温情を受けた周囲を悉く裏切り、飛ぶ鳥跡を濁しまくって失踪に及んだA太郎監督。一年以上もの逃亡生活を続けて、奴は一体何をやってやがるのでしょうか。
偶々その前日に仕事を終えて暇な体になった私は、A太郎監督の学生時代からの旧友であり、またご自身も借金を踏み倒されているとのY澤氏と連絡を取り、悪徳AV監督の捜索にと出陣したのでありました。
昨日のことであります。
電車を乗り継ぎ向かった先は、足立区の西新井。
私にはまったく馴染みのない、初めて降り立つ地です。
駅の改札口でY澤氏と合流し、監督の目撃情報があったポイントへと歩を進めます。
小綺麗な駅周辺から、雑多で庶民的な商店街が続く…かと思いきや、一歩離れると意外やそこは殺風景な住宅地。
下町風情漂う昭和の色残る町並みを私は想像しておりましたが、瀟洒なマンションが立ち並び、肉付きの程よい臀部を震わせた色香濃厚の娘や白いオミ脚を露わにした劣情を催す若妻が、優雅に自転車で駆け抜けます。
侮れません、西新井。
Y澤氏のiPhoneの地図機能を頼りに、駅から10分ほど歩き、雲隠れ中のA太郎が、察するにお孫さんと思しき小児の手を引いて睦まじく歩いていたとのタレコミ情報があった地点へ。
若くして結婚し授かった双子の娘さんの一人が、かなりの若年で伴侶を持ち子宝に恵まれ、A太郎氏は早くも “孫を愛でる好々爺” なのでありました。
傍には映画館をも兼ね備えた巨大なショッピングモールが聳え立つ、そこは閑散とした路地の一角。なるほど、目撃地点の奥まったところには、幼稚園があります。
午後3時頃に、孫を迎えに来たのか…と推察できます。
すると、娘夫婦宅に居候として転がり込んで逃亡生活を送っているのでしょうか。だとしたら相当にハタ迷惑なお祖父ちゃんです。
もし運よくA太郎容疑者を発見したところで、可愛いお孫さんの前で手荒な真似はできません。
速やかに監督の腕に縄をかけて頸動脈を締め逃走を防ぎ、小児を潜伏場所に送り届けさせてから、穏やかに連行に踏み切ろうとの計画です。
別にA太郎監督とは金銭の貸借も関与していない私は、晴れて仕事を追えての物見遊山のピクニック気分ですので、切実な心境のY澤氏と対称的になかなかスリリングで楽しくてしょうがありません。
小学生時代に熱中した「刑ドロ」ごっこを思い起こします。
まぁしかし、目撃地点近辺を隈なく歩き回れどそううまく犯人検挙に結びつく筈もなく、次はすぐ傍の巨大ショッピングモールへと。
買い物ならばきっと奴はここに頻繁に来るに違いない…と人々の姿を見渡し、だだっ広い店内をY澤氏と手分けで巡り、見覚えのある薄らハゲ頭を捜したのでありました。
私の頭の中では、「太陽にほえろ!」の緊張感ある挿入歌のメロディーが流れています。
それでもやはりうまく容疑者発見には至らず、軽食広場でひと休み。
自室で〆切に追われて夏を過ごしただけの私には、見知らぬ土地でちょっとした小旅行気分です。
ハンバーガーにしようか?江戸っ子らしく蕎麦にしようか?…あ、つけ麺も美味しそうだな…、こっちには鉄板焼きもある!たこ焼きも悪くないか。んー、あのおばちゃんの食べてる天麩羅うどんも美味そうだなー…。
と、さんざ迷った揚げ句に、決めたのはこれ!
陽も落ちて、もう一度目撃地点周辺を探索。
残念ながらそうは容易く犯人逮捕に至るドラマチックな奇跡も起こらず、それから駅傍の、いかにもあのA太郎監督が通っていそうな赤提灯の居酒屋で、奥の席に落ち着きY澤氏と軽く一杯。
ちなみにY澤氏は腕利きの料理人。かつては渋谷で洒落たバーを経営しており、拙作漫画のネタにも使わせて頂いたりしました。
目撃情報が確かならば、間違いなく、逃亡中のA太郎はこの店で週に1~2度は安酒を啜り、愛想のいい店のお姐さん相手に毎度しょうもない話題を振っては、特徴的な「ウヒョヒョヒョヒョヒョ…」と無責任な笑い声を発していることでしょう。
結果的には徒労に終わった今回の第一回A太郎捜索活動ではありますが、潜伏地帯周辺の把握及び行動パターンの推測と、確実な手応えは感じた気がします。
“A太郎、君はもう我々被害者の会に完全に包囲されている。
これからの短い人生、逃げ回って怯えながら過ごすつもりなのか!?
それでいいのか!?
悪いことは言わない。神妙にお縄を頂戴しなさい。
必ずや数々の不正を白日の下に晒すからな!!”
…なぁ~んて、私は借金を踏み倒されてる訳でもないですし、あの破天荒なオッサンに何の恨みツラミもないので、結構刺激的で面白いったらありません。
西新井でホロ酔い心地となったら、Y澤氏と共に次は遠路神楽坂へと向かい、そんな迷惑千万なA太郎を偲び、以前に彼と幾度か来た懐かしの居酒屋へと。
A太郎氏と親交の深かったS氏に、お馴染み泡国大王G氏の編集者お二方の関係者も加わり、捕獲間際のA太郎を肴に盃を傾けた夜でありました。
オーダー待機中に経営者たる監督自らが “商品” に手を出すわで、瞬く間に商売失敗に至った鶯谷デリヘル店参戦の一件では、彼がその様な商売っ気の欠片もないオッペケペ野郎だったとはまだ知らずに、話に乗せられて私も莫大な額を出資していなくて、本当によかったと、今となっては胸を撫で下ろすばかりです。
細々とながら画業に身を投じ、それで得た幾ばくかの原稿料で雨露凌ぐ店賃を支払い、米と味噌を買い求め飢えを凌ぎ、侘しい独り身生活ながらも私は何とか無事に、幸薄くとも借金もなく地道に過ごしております。
こんな浮かばれぬ私ではありますが、ひとつだけ申し上げましょう。
皆さんも、どうか平成無責任男、元AV監督 A太郎のような面白い生き方はくれぐれもしないでください。
せめてもの愉しみはと言えば、執筆の合間にペロリンと頂くマミープリンくらいのものでした。
これはスマッシュヒットだぞ森永!
また買ってこよっと。
さて、こんな侘しく慎ましい私の生活でありますから、取り立ててご報告する話題も乏しいのですが…。
つい先日、周辺に借金を重ねに重ねた上に、返済不能となるや業界関係者の前から忽然と姿をくらました 元AV監督、A太郎氏の目撃情報を遂にキャッチしたとの連絡を、親しい編集者より頂いていたのです。
女優さんにも然るべき報酬を支払わず、温情を受けた周囲を悉く裏切り、飛ぶ鳥跡を濁しまくって失踪に及んだA太郎監督。一年以上もの逃亡生活を続けて、奴は一体何をやってやがるのでしょうか。
偶々その前日に仕事を終えて暇な体になった私は、A太郎監督の学生時代からの旧友であり、またご自身も借金を踏み倒されているとのY澤氏と連絡を取り、悪徳AV監督の捜索にと出陣したのでありました。
昨日のことであります。
電車を乗り継ぎ向かった先は、足立区の西新井。
私にはまったく馴染みのない、初めて降り立つ地です。
駅の改札口でY澤氏と合流し、監督の目撃情報があったポイントへと歩を進めます。
小綺麗な駅周辺から、雑多で庶民的な商店街が続く…かと思いきや、一歩離れると意外やそこは殺風景な住宅地。
下町風情漂う昭和の色残る町並みを私は想像しておりましたが、瀟洒なマンションが立ち並び、肉付きの程よい臀部を震わせた色香濃厚の娘や白いオミ脚を露わにした劣情を催す若妻が、優雅に自転車で駆け抜けます。
侮れません、西新井。
Y澤氏のiPhoneの地図機能を頼りに、駅から10分ほど歩き、雲隠れ中のA太郎が、察するにお孫さんと思しき小児の手を引いて睦まじく歩いていたとのタレコミ情報があった地点へ。
若くして結婚し授かった双子の娘さんの一人が、かなりの若年で伴侶を持ち子宝に恵まれ、A太郎氏は早くも “孫を愛でる好々爺” なのでありました。
傍には映画館をも兼ね備えた巨大なショッピングモールが聳え立つ、そこは閑散とした路地の一角。なるほど、目撃地点の奥まったところには、幼稚園があります。
午後3時頃に、孫を迎えに来たのか…と推察できます。
すると、娘夫婦宅に居候として転がり込んで逃亡生活を送っているのでしょうか。だとしたら相当にハタ迷惑なお祖父ちゃんです。
もし運よくA太郎容疑者を発見したところで、可愛いお孫さんの前で手荒な真似はできません。
速やかに監督の腕に縄をかけて頸動脈を締め逃走を防ぎ、小児を潜伏場所に送り届けさせてから、穏やかに連行に踏み切ろうとの計画です。
別にA太郎監督とは金銭の貸借も関与していない私は、晴れて仕事を追えての物見遊山のピクニック気分ですので、切実な心境のY澤氏と対称的になかなかスリリングで楽しくてしょうがありません。
小学生時代に熱中した「刑ドロ」ごっこを思い起こします。
まぁしかし、目撃地点近辺を隈なく歩き回れどそううまく犯人検挙に結びつく筈もなく、次はすぐ傍の巨大ショッピングモールへと。
買い物ならばきっと奴はここに頻繁に来るに違いない…と人々の姿を見渡し、だだっ広い店内をY澤氏と手分けで巡り、見覚えのある薄らハゲ頭を捜したのでありました。
私の頭の中では、「太陽にほえろ!」の緊張感ある挿入歌のメロディーが流れています。
それでもやはりうまく容疑者発見には至らず、軽食広場でひと休み。
自室で〆切に追われて夏を過ごしただけの私には、見知らぬ土地でちょっとした小旅行気分です。
ハンバーガーにしようか?江戸っ子らしく蕎麦にしようか?…あ、つけ麺も美味しそうだな…、こっちには鉄板焼きもある!たこ焼きも悪くないか。んー、あのおばちゃんの食べてる天麩羅うどんも美味そうだなー…。
と、さんざ迷った揚げ句に、決めたのはこれ!
陽も落ちて、もう一度目撃地点周辺を探索。
残念ながらそうは容易く犯人逮捕に至るドラマチックな奇跡も起こらず、それから駅傍の、いかにもあのA太郎監督が通っていそうな赤提灯の居酒屋で、奥の席に落ち着きY澤氏と軽く一杯。
ちなみにY澤氏は腕利きの料理人。かつては渋谷で洒落たバーを経営しており、拙作漫画のネタにも使わせて頂いたりしました。
目撃情報が確かならば、間違いなく、逃亡中のA太郎はこの店で週に1~2度は安酒を啜り、愛想のいい店のお姐さん相手に毎度しょうもない話題を振っては、特徴的な「ウヒョヒョヒョヒョヒョ…」と無責任な笑い声を発していることでしょう。
結果的には徒労に終わった今回の第一回A太郎捜索活動ではありますが、潜伏地帯周辺の把握及び行動パターンの推測と、確実な手応えは感じた気がします。
“A太郎、君はもう我々被害者の会に完全に包囲されている。
これからの短い人生、逃げ回って怯えながら過ごすつもりなのか!?
それでいいのか!?
悪いことは言わない。神妙にお縄を頂戴しなさい。
必ずや数々の不正を白日の下に晒すからな!!”
…なぁ~んて、私は借金を踏み倒されてる訳でもないですし、あの破天荒なオッサンに何の恨みツラミもないので、結構刺激的で面白いったらありません。
西新井でホロ酔い心地となったら、Y澤氏と共に次は遠路神楽坂へと向かい、そんな迷惑千万なA太郎を偲び、以前に彼と幾度か来た懐かしの居酒屋へと。
A太郎氏と親交の深かったS氏に、お馴染み泡国大王G氏の編集者お二方の関係者も加わり、捕獲間際のA太郎を肴に盃を傾けた夜でありました。
オーダー待機中に経営者たる監督自らが “商品” に手を出すわで、瞬く間に商売失敗に至った鶯谷デリヘル店参戦の一件では、彼がその様な商売っ気の欠片もないオッペケペ野郎だったとはまだ知らずに、話に乗せられて私も莫大な額を出資していなくて、本当によかったと、今となっては胸を撫で下ろすばかりです。
細々とながら画業に身を投じ、それで得た幾ばくかの原稿料で雨露凌ぐ店賃を支払い、米と味噌を買い求め飢えを凌ぎ、侘しい独り身生活ながらも私は何とか無事に、幸薄くとも借金もなく地道に過ごしております。
こんな浮かばれぬ私ではありますが、ひとつだけ申し上げましょう。
皆さんも、どうか平成無責任男、元AV監督 A太郎のような面白い生き方はくれぐれもしないでください。
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