駅の前の懲りない面々
2014-12-06 22:55:00 (9 years ago)
健さん,文太兄ィの喪に服し、ヒゲを落とした私(中央)
…と言うことにしときましょう。
「トラック野郎」は、まだ少年期の頃 映画館に足を運んで観ました。
トラックの運転手とは、(今では禁句ですが)ト○コ風呂でト○コ嬢ハベらせて豪遊できる程の稼ぎが得られるのか!
…と当時は思ったものです。
菅原文太演じる星桃次郎の姿は私には絶大な影響で、今でも、絶世の美女にお目に掛かると、劇中お馴染みのマドンナ登場シーンの如く、キラキラと背景に数々の星が自然と浮かんで見えてしまうのです。
また健さんの映画では、「~黄色いハンカチ」の影響も少なからず受けております。
雑多な定食屋に行って、
「ビールください」の後に
「醤油ラーメンと…カツ丼ください」
と、健さん演じる刑務所から出所した島勇作を真似て秘かに気取って注文してみたことも、毛根豊富な若き日に何度かあります。
あそこは「味噌ラーメン」でも「塩ラーメン」でもいけない。
「親子丼」でも「天丼」でも「ウニイクラ丼」でも絶対駄目。
やはり出所した男は、「醤油ラーメンとカツ丼!」なのです。
「遥かなる山の呼び声」,「駅~Station」も「居酒屋兆治」も、何度観ても引き込まれますね。
正直に申しますと、若い頃には映画館で健さんの何気なくも味わい深いシーンを観ても、少々退屈だったとの記憶です。
それが、年齢を重ねて改めてDVD等で鑑賞すると、堪らなくなる。
例えば「駅」での、倍賞千恵子演じる雪国の居酒屋の女将と健さんの、店での二人きりの延々続くやり取りのシーンなんか、昔観た時には大して面白くもなかった筈。それなのにいい歳になって再び観てみたら、何故か胸の奥がジーンと来てしまうのです。
それも真似しようとして、こじんまりとした小料理屋なんかに行って小洒落た女将相手に同じような雰囲気を味わおうともしましたが、いつの間にやら酔ってベロベロになって、相変わらずのクソみたいな下ネタを連発して人格を見透かされ、煙たがれるだけの私です。
さて…。
師走の最中に、何を私は新宿まで騒音機材を運んで人騒がせに通ってるのでしょうか。
哀愁のブルース貴公子 Mr.テキサスの強烈なパワーに従うまま…は結構なれど、もう極寒突入だってのにいつまで演るのよ!?
なんて思いつつ昨夜の金曜日も、年末気分の盛り上がるムードを満喫する睦まじい異性交遊衆の波を掻き分け胡散臭くベース背負ってベースアンプ ゴロゴロ引いて歩き、新宿駅南口へと。またしてもご通行のお勤め帰りの有権者の皆さまにご迷惑をお掛けしてしまいました。
昨夜なんか、ホントに寒いのなんの。
他の若いバンド連中もさすがにもうお休みしてたのに、体力の弱ったオヤジ連中が夜風に耐えつつ気力を楯にブルース演奏に興じてんだから。
それでも興味深げにお聴きくださるオーディエンスの方が絶え間なくいらっしゃるので、私も暢気に持参のウイスキーお湯割りで身体を温める暇もなく、指を悴ませつつもブルースを奏でたのでありました。
Mr.テキサスが雄叫び彼のスライドギターが咽び泣き、F氏のカホンが夜空に木霊し、私のベースが奥床しくさえずる新宿駅南口の夜。
我々の演奏に集まってきた若者衆から熟年男性まで、駅前の一画で妙な意気投合の輪ができて、いつの間にか彼等同士で何を約束したのやら握手を交しその場で人脈が広がったりしているのですから、思えば不思議な光景です。
それもすべては、ワイルド・ブルース・アニマル Mr.テキサスの為せる業でありましょう。
恥ずかしながら稀代の小心者の私は、立ち止まって熱心に聴いてくださる観衆を直視などできもせず、後方の車道方面を向きながら顔面蒼白の涙目で稚拙なワンパターンベースを弾くのに精一杯です。
因みにチップも毎回有り難く頂戴しておりまして、メンバーの頭数で割って配当金を頂くと、私の場合立派に運賃を越える額!
大したものです。昨夜は時給にすると250円かそこらか。
最近では本業を上回る稼ぎ?
…だなんて、切なくなる話題はよしましょう。ほっといてくれ!!
先月一杯までで路上活動は春まで休止…なんて言ってたのに、連中、気を良くして来週の金曜夜もまだ果敢にも演る気でやがります。
ってもう師走半ばだってのに!?
お正月まではやんないかんね。
いや1月も2月も益々キツイよっ。
凍え死んでもいいのか!?
俺はまだ生きたいんだ。生きてやりたいことも一杯ある。
幾ら何でも、命を大切にしろみんな!
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